シンバblog

都内で外資系コンサルしてます。生きる偏差値51目指して楽しく過ごしたい!

【書評】ケーキの切れない非行少年たち

少年院に入る少年達の現実を記した書籍。

あまりない類のものであり、ベストセラーにもなっていたので買ってみました。

非常に読み応えのある本ですが、ページ数も多くないのでさっくりと読めます。

 

非行に走ってしまった結果少年院に入る子たちは教育的に不自由な面を抱えているのかもと漠然に思っており、その背景にいる親の教育について焦点を当てることが感覚的に多く、

今回のように少年にスポットを当てて考えることは確かにあまりなかったかもしれない。

 

本に買いてある通り、彼らは自己評価・自己認知が極端に低く、周りからどう見えるかとかを考える前の段階であったことはとても驚きであった。

そのため、一般的にこういうサインを出したらまずいですよ、という内容が教科書通りには全く当てはまらないことが多々あるようだ。

例えば、シンプルに子供はほめてのばせ、というのも少年院に入る子たちには逆効果であることもあるようだ。

 

しかし、大人でも難しい自己評価・自己認知を年齢の低い少年たちに求めるのはやはり酷なことでもある。となると、やはりまずは育てる側の親が自己評価・自己認知をきちんと行えなければ、少年たちを適切な方向に導くことは難しいのではないかと思った。

 

いまの日本では、自己認知力を一番鍛えられる場面は「就職活動時」だと思うが、

それでは遅すぎると、この本を読むとますます感じた。

自分はどんなことが得意で、どんな特長があるのかを早い段階から把握しておくこと、変化があれば都度自分を客観視できる能力を養っていく必要があるのだろう。

 

 

ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)